ISBN:4062114399 単行本 横山 秀夫 講談社 2002/09 ¥1,785

横山 秀夫 著 「半落ち」 ★★★★

請われて妻を殺した警察官は,死を覚悟していた。全面的に容疑を認めているが,犯行後2日間の空白については口を割らない「半落ち」状態。男が命より大切に守ろうとするものとは何なのか。感涙の犯罪ミステリー。


映画がテレビ放送をしてたので,積読してたのを思い出し引っ張り出してきた。前に読んだ短編集2作で苦手意識を植えつけてしまったので,奥底に眠らせていたのが,何でもっと早く読まなかったのかと今は猛烈に後悔している。

半落ち・・・・・。
このたった一つの謎に対して,警察・検察・新聞記者・弁護士・判事・刑務官と6つの視点で語られていく。この作品がヒットした要因は,この視点を分けた点にあるだろう。これを警察だけでのなかで展開させたり,犯人の一人称なんかにしてたら,これほど深みのある話にはならなかったと思うである。

ただ一点不満なところは,半落ちしていた部分。ここが最も重要なところなのに・・・・・。ここまで頑なに沈黙を続けていたことが「こんなことっ?」って感じなのだ。話の流れとして,こういった展開を見せるのに納得するところはあるのだけど,何か弱くそして物足りない。

満点を出せる雰囲気だっただけに,こういう最後を迎えたのは非常に残念でならない。でも横山作品の面白さを見出せたので,それだけでもこの作品を読んで良かったと思う。

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