乙一の「GOTH―リストカット事件」読了
2004年11月23日 読書
ISBN:4048733907 単行本 乙一 角川書店 2002/07 ¥1,575
乙一 著 「GOTH―リストカット事件」 ★★★
なんていうのかな?ホラー系ミステリでよいのかしら。
切ない系と評される一方で,こういったホラー系も書く作家さんだというのは知っていたけど,やっぱり乙一さんには,角川スニーカー文庫のような切ない系のお話をもっと書いて欲しいです。
連作短編小説となっていて,最後にミステリとしての結末は用意してあるのだけど,あんまり読後感は良くはありませんでした。それぞれのお話は良いのだけれども,連作集としての流れは何かぎこちないものがあったような感じがします。総じて満足したとは思うのだけれども,やっぱりホラー系は苦手なんで採点は低くなってしまうのです。残念!波田陽区かっての。ボソッ
乙一 著 「GOTH―リストカット事件」 ★★★
森野が拾ってきたのは,連続殺人鬼の日記だった。学校の図書館で僕らは,次の土曜日の午後,まだ発見されていない被害者の死体を見物にいくことを決めた。話題騒然の若き天才乙一の初の単行本!
なんていうのかな?ホラー系ミステリでよいのかしら。
切ない系と評される一方で,こういったホラー系も書く作家さんだというのは知っていたけど,やっぱり乙一さんには,角川スニーカー文庫のような切ない系のお話をもっと書いて欲しいです。
連作短編小説となっていて,最後にミステリとしての結末は用意してあるのだけど,あんまり読後感は良くはありませんでした。それぞれのお話は良いのだけれども,連作集としての流れは何かぎこちないものがあったような感じがします。総じて満足したとは思うのだけれども,やっぱりホラー系は苦手なんで採点は低くなってしまうのです。残念!波田陽区かっての。ボソッ
貫井 徳郎の「さよならの代わりに」読了
2004年11月18日 読書
ISBN:4344004906 単行本 貫井 徳郎 幻冬舎 2004/03 ¥1,680
貫井 徳郎 著 「さよならの代わりに」 ★★★☆
う〜ん,貫井ということで星3.5ってところかな。
ミステリとしては,なんの捻りもなくて今まで貫井作品を読んできた人は,あまりのあっけなさに戸惑うかもしれない。ジャンルとしては,恋愛SFミステリとでもいえばいいのだろうか。とにかくいろいろ詰め込んでいてお得のような気がするが,やっぱり詰め込みすぎはよくないようで,どれも中途半端なのが少し残念だった。SFとしてはタイムトラベルで定番なんだけど,その中にインターネットやらプリペイド携帯やらがでてきて,テクノロジー全盛の時代になったなかで,SF作品としての新境地を開いた感じがした。恋愛の方は,・・・・・です。本の帯に"長谷川京子"が,『「またね」,その凛とした別れの言葉の切実さに,涙がこぼれました」』って,あるけど,これ本当にそう思いましたか?なんだか,セカチューの柴咲コウのような二番煎じを狙ったとしか思えないよ。幻冬舎の策略でしょうな。あれこれいいながらも,そこそこの満足感は与えてくれたので良しとしよう。
貫井 徳郎 著 「さよならの代わりに」 ★★★☆
劇団“うさぎの眼”の看板女優が,上演中に控え室で殺害された。事件と前後して現れた,真犯人の存在をほのめかす謎の美少女。駆け出しの僕は,彼女と共に事件の真相を追い始める。彼女に振り回され,時折見せる曖昧な言動に戸惑いながらも,僕は,その不思議な魅力に次第に惹きつけられていく。しかし,彼女は,誰にも言えない秘密を隠していた―――。
う〜ん,貫井ということで星3.5ってところかな。
ミステリとしては,なんの捻りもなくて今まで貫井作品を読んできた人は,あまりのあっけなさに戸惑うかもしれない。ジャンルとしては,恋愛SFミステリとでもいえばいいのだろうか。とにかくいろいろ詰め込んでいてお得のような気がするが,やっぱり詰め込みすぎはよくないようで,どれも中途半端なのが少し残念だった。SFとしてはタイムトラベルで定番なんだけど,その中にインターネットやらプリペイド携帯やらがでてきて,テクノロジー全盛の時代になったなかで,SF作品としての新境地を開いた感じがした。恋愛の方は,・・・・・です。本の帯に"長谷川京子"が,『「またね」,その凛とした別れの言葉の切実さに,涙がこぼれました」』って,あるけど,これ本当にそう思いましたか?なんだか,セカチューの柴咲コウのような二番煎じを狙ったとしか思えないよ。幻冬舎の策略でしょうな。あれこれいいながらも,そこそこの満足感は与えてくれたので良しとしよう。
法月 綸太郎の「頼子のために」読了
2004年11月16日 読書
ISBN:4061854011 文庫 法月 綸太郎 講談社 1993/05 ¥620
法月 綸太郎 著 「頼子のために」 ★★★☆
これも某書店でめちゃくちゃ平積みされていた本。ポップと付箋に店員の熱いメッセージが寄せられており,その熱意に負けたというわけだ。ただ買ったのはその店じゃなくて,BOOK OFFの105円棚というのが私らしいか・・・。
結果的に見事に騙された。見事な構成にしてやられたのも確かだけど,これはこの本を手に取った瞬間にもう騙されていたわけですね。「頼子のために」って・・・。この小説名のせいで,いらぬ先入観や想像が脳内を渦巻いていてしまい,また冒頭の60ページにも渡る手記によって,作者の罠に完璧に嵌ってしまった。
まぁなかなか面白かったよ。某書店に店員さん,ありがとさん!
法月 綸太郎 著 「頼子のために」 ★★★☆
「頼子が死んだ。」十七歳の愛娘を殺された父親は,通り魔事件で片付けようとする警察に疑念を抱き,ひそかに犯人をつきとめて相手を刺殺。自らは死を選ぶ―――という手記を遺していた。手記を呼んだ探偵法月倫太郎が,事件の真相解明にのりだすとと,やがて驚愕の展開が!精緻構成が冴える野心作。
これも某書店でめちゃくちゃ平積みされていた本。ポップと付箋に店員の熱いメッセージが寄せられており,その熱意に負けたというわけだ。ただ買ったのはその店じゃなくて,BOOK OFFの105円棚というのが私らしいか・・・。
結果的に見事に騙された。見事な構成にしてやられたのも確かだけど,これはこの本を手に取った瞬間にもう騙されていたわけですね。「頼子のために」って・・・。この小説名のせいで,いらぬ先入観や想像が脳内を渦巻いていてしまい,また冒頭の60ページにも渡る手記によって,作者の罠に完璧に嵌ってしまった。
まぁなかなか面白かったよ。某書店に店員さん,ありがとさん!
西尾 維新の「クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識」読了
2004年11月11日 読書
ISBN:4061822500 新書 西尾 維新 講談社 2002/05 ¥1,029
西尾 維新 著 「クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識 ★★★★
ますます森博嗣に似てきたという印象。作風をパクッてるとかいうつもりは毛頭ござらん。面白ければそれでよし!
事件の真相に至る推理で「おいっ,ちょっと待て」とな所が,あるにはあったのだけど,冷静に考えてみると「まぁ,ギリギリセーフ」かなと思えたんでコレはよし。だけど,「x/y」の謎は分からんよな〜。いろんなサイトで調べて意味は分かったんだけど,なんとも納得いかない。こんなの分かった人いるんだろうか?
このイラスト。2作目ですでになれた。不思議なもんで慣れてしまうと,いろんな想像ができて楽しかったりする。それでも表紙前回にして電車の中で読むのは抵抗があってカバーをつけてるんですがね・・・・・。
西尾 維新 著 「クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識 ★★★★
鴉の濡れ羽島で起こった密室殺人事件から二週間。京都,私立鹿鳴館大学。「ぼく」こと"戯言遣い・いーちゃん"が級友・葵井巫女子とその仲間たちと送る日常は,古都を震撼させる連続殺人鬼"人間失格・零崎人識"との出会いによって揺らめき脆く崩れ去っていく―――。そして待ち受ける急転直下の衝撃。一つの世界が崩れる"そのとき"を描ききった新青春エンタの傑作!
ますます森博嗣に似てきたという印象。作風をパクッてるとかいうつもりは毛頭ござらん。面白ければそれでよし!
事件の真相に至る推理で「おいっ,ちょっと待て」とな所が,あるにはあったのだけど,冷静に考えてみると「まぁ,ギリギリセーフ」かなと思えたんでコレはよし。だけど,「x/y」の謎は分からんよな〜。いろんなサイトで調べて意味は分かったんだけど,なんとも納得いかない。こんなの分かった人いるんだろうか?
このイラスト。2作目ですでになれた。不思議なもんで慣れてしまうと,いろんな想像ができて楽しかったりする。それでも表紙前回にして電車の中で読むのは抵抗があってカバーをつけてるんですがね・・・・・。
金城 一紀の「GO」読了
2004年11月9日 読書
ISBN:4062736837 文庫 金城 一紀 講談社 2003/03 ¥470
金城 一紀 著 「GO」 ★★★
この著者本人が《在日》の方なのでしょうか?実際にどうなのかは知らないけど,そう思わせるような筆致だった。まぁ,国籍がどこであろうと小説の良し悪しに関係はないんですが。
あまり恋愛小説とかは読まないんだが,直木賞受賞作ということで手に取ったんだけど,良くコレで受賞できたなというのが本音です。そんな作中で主人公の親父が良い味だして良かった。不器用ながらも我が子のことを真剣に考えている様がひしひしと伝わります。こういう体当たり的な親子の触れ合いも良いなと思ったのでした。
金城 一紀 著 「GO」 ★★★
僕は何者?日本で生まれ,日本で育ったけれど,僕は《在日》と呼ばれる。元ボクサーの親父に鍛えられ,これまで喧嘩二十三戦無敗。ある日僕は恋に落ちた。彼女はムチャクチャ可愛らしい《日本人》だった―――。軽快なテンポとさわやかな筆致で差別や国境を一蹴する,感動の青春恋愛小説。直木賞受賞作。
この著者本人が《在日》の方なのでしょうか?実際にどうなのかは知らないけど,そう思わせるような筆致だった。まぁ,国籍がどこであろうと小説の良し悪しに関係はないんですが。
あまり恋愛小説とかは読まないんだが,直木賞受賞作ということで手に取ったんだけど,良くコレで受賞できたなというのが本音です。そんな作中で主人公の親父が良い味だして良かった。不器用ながらも我が子のことを真剣に考えている様がひしひしと伝わります。こういう体当たり的な親子の触れ合いも良いなと思ったのでした。
雫井 脩介の「犯人に告ぐ」読了
2004年11月8日 読書
ISBN:4575234990 単行本 雫井 脩介 双葉社 2004/07 ¥1,680
雫井 脩介 著 「犯人に告ぐ」 ★★★★☆
「読者よ,震える指でページをめくれ!」てな具合ですかね。
警察のドロドロした内情,事件に巻き込まれた一家の心情,視聴率至上主義なテレビ局の思惑,個人の名声・保身など,さまざまな点においてスポットを当て,そしてそのすべてに緻密な描写をほこる警察小説とひとくくりにできない,究極のエンターテイメント小説です。
唯一つ不満なのは,犯人に結びついた最後のアレ。あれだけ引っ張っておいて,あんな都合の良いような展開にしてしまったのは,ちょっと拍子抜けって感じでがっかりした。それさえなければ,今年3作目の満点がだせたのにな。ホント惜しかったです。
雫井 脩介 著 「犯人に告ぐ」 ★★★★☆
「犯人よ,今夜は震えて眠れ」
連続児童殺人事件―――姿見えぬ犯人に,警察はテレビ局と手を組んだ。史上初の,劇場型捜査が始まる!
横山秀夫 幹が太く,枝葉の繊細さが心に絡みつく警察小説だ。
福井晴敏 メディアという暴力装置と真っ向から取り組み,汚濁の中に一縷の希望を見出そうとする。この作品で著者は新たなステージに立った。
伊坂幸太郎 二章まで読み終えた僕は,最高だねこれは,と興奮し,つづきが気になりあまり,風呂場でも読んだのでした。
「読者よ,震える指でページをめくれ!」てな具合ですかね。
警察のドロドロした内情,事件に巻き込まれた一家の心情,視聴率至上主義なテレビ局の思惑,個人の名声・保身など,さまざまな点においてスポットを当て,そしてそのすべてに緻密な描写をほこる警察小説とひとくくりにできない,究極のエンターテイメント小説です。
唯一つ不満なのは,犯人に結びついた最後のアレ。あれだけ引っ張っておいて,あんな都合の良いような展開にしてしまったのは,ちょっと拍子抜けって感じでがっかりした。それさえなければ,今年3作目の満点がだせたのにな。ホント惜しかったです。
西澤 保彦の「彼女が死んだ夜」読了
2004年11月3日 読書
ISBN:4043540019 文庫 西澤 保彦 角川書店 2000/05 ¥600
西澤 保彦 著 「彼女が死んだ夜」 ★★★☆
綺麗に組み立てられた西澤らしい作品でした。最初,ハコちゃん家に死体が捨てられていたってのは,話を切り出すための強引な手段だったのかと思っていたら,そうじゃなかったんだよね。そこに死体があるのもちゃんと必然としたものだった。話はキャラが立っていてテンポ良く進むんだけど,なんとなく行き着く先が予想できてきてしまい,そしてホントそのとおりに落ち着きそうになってきたから「な〜んだ」って思ってたら,最後の最後に予想を超えた"どんでん返し"が用意されていた!これにはびっくり!!がっかりさせた後に,こんな仕掛けを用意しておくとは憎いねっこのぉっ。
西澤 保彦 著 「彼女が死んだ夜」 ★★★☆
門限はなんと六時!超厳格教育で育てられて箱入り娘のハコちゃんこと浜口美緒。両親を説得し,やっとのことでアメリカ旅行の許可を得た。両親の目を盗んで大学の仲間が壮行会を開いてくれた出発前夜,家に帰ると部屋に見知らぬ女性の死体が!男性陣が駆けつけると,こんなトラブルに巻き込まれて旅行が中止になってしまっては,と興奮したハコちゃんは,喉にナイフを当ててこういった。「この死体を捨ててきてくれなければ,わたしは死ぬゥ!」とんだ難題の処理が大事件に発展し・・・・・。タック,タカチ,ボアン,ウサコ,キャンパス四人組が挑む第一の事件。長編本格ミステリ!
綺麗に組み立てられた西澤らしい作品でした。最初,ハコちゃん家に死体が捨てられていたってのは,話を切り出すための強引な手段だったのかと思っていたら,そうじゃなかったんだよね。そこに死体があるのもちゃんと必然としたものだった。話はキャラが立っていてテンポ良く進むんだけど,なんとなく行き着く先が予想できてきてしまい,そしてホントそのとおりに落ち着きそうになってきたから「な〜んだ」って思ってたら,最後の最後に予想を超えた"どんでん返し"が用意されていた!これにはびっくり!!がっかりさせた後に,こんな仕掛けを用意しておくとは憎いねっこのぉっ。
西尾 維新の「クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い」読了」
2004年10月29日 読書
ISBN:4061822330 新書 西尾 維新 講談社 2002/02 ¥1,029
西尾 維新 著 「クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い」 ★★★★
まずこの表紙。コレを見た瞬間に購買意欲は失せ,さらに帯文句が清涼院流水だったのがダメを押してた。それを何故いまさら読むに至ったかというと,この頃本屋さんで直木賞を獲った後のように平積みされてて,それがだんだんと気になりだし裏表紙の内容を見ると,「天才・密室・QED」といったミステリ好きには堪らない文句が勢揃いしてたのだ。それでもまだ疑心暗鬼な状態で,ネットで書評サイトをいくつも調べ,信頼しているあるサイトでも評判が良かったので,ようやく重い腰を持ち上げたという次第だ。
オンライン書店で購入したのでカバーがなく,この表紙を表にしたままだと,怪しいオタク系のライトノベルを読んでいるのではと勘違いをされるのが怖かったので,表紙をはずして読んでいたのはもちろん秘密である。だがだがである。そんな事はどうでもいいくらいに,ミステリとしてとっても楽しめた。作風としては森博嗣よりもよりライトノベル的で,森博嗣としては蛇足とされそうな丁寧な解説があり,ミステリ好きじゃない読者も取り込めそうなよい意味で軽い感じかな。一番恐れていたミステリとして破綻した結末もなく,キャラ頼りになっていないところもまた秀逸なので,私のように敬遠されていた方は騙されたと思って読んでみて欲しいと思う。
西尾 維新 著 「クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い」 ★★★★
絶海の孤島に隠れ潜む財閥令嬢が"科学・絵画・料理・占術・工学",五人の「天才」女性を招待した瞬間,"孤島X密室X首なし死体"の連鎖がスタートする!工学の天才美少女,「青色サヴァン」こと玖渚友(♀)とその冴えない友人,「戯言遣い」いーちゃん(♂)は,「天才」の凶行を"QED(証明終了)"できるのか?新青春エンタの傑作,ここに誕生!第23回メフィスト賞受賞作。
まずこの表紙。コレを見た瞬間に購買意欲は失せ,さらに帯文句が清涼院流水だったのがダメを押してた。それを何故いまさら読むに至ったかというと,この頃本屋さんで直木賞を獲った後のように平積みされてて,それがだんだんと気になりだし裏表紙の内容を見ると,「天才・密室・QED」といったミステリ好きには堪らない文句が勢揃いしてたのだ。それでもまだ疑心暗鬼な状態で,ネットで書評サイトをいくつも調べ,信頼しているあるサイトでも評判が良かったので,ようやく重い腰を持ち上げたという次第だ。
オンライン書店で購入したのでカバーがなく,この表紙を表にしたままだと,怪しいオタク系のライトノベルを読んでいるのではと勘違いをされるのが怖かったので,表紙をはずして読んでいたのはもちろん秘密である。だがだがである。そんな事はどうでもいいくらいに,ミステリとしてとっても楽しめた。作風としては森博嗣よりもよりライトノベル的で,森博嗣としては蛇足とされそうな丁寧な解説があり,ミステリ好きじゃない読者も取り込めそうなよい意味で軽い感じかな。一番恐れていたミステリとして破綻した結末もなく,キャラ頼りになっていないところもまた秀逸なので,私のように敬遠されていた方は騙されたと思って読んでみて欲しいと思う。
松岡 圭祐の「カウンセラー」読了
2004年10月26日 読書
ISBN:4093861315 単行本 松岡 圭祐 小学館 2003/12 ¥1,470
松岡 圭祐 著 「カウンセラー」 ★★★
映画の影響なのだろうが,嵯峨敏也=稲垣吾郎(SMAP)と置き換えていつも読んじゃうんだよね。これがなかなか良い配役で全然違和感がないのだからすごい。
さて本の感想なんだけど,もう臨床心理士というよりも神への領域に達した超能力者といった感じでやや興ざめ。たまに平凡な人間くささを垣間見せるも,岬美由紀(これは水野美紀ね)同様にいささかやりすぎといった感じはいつものことなので,まぁ大目に見ておこう。
松岡 圭祐 著 「カウンセラー」 ★★★
臨床心理士・嵯峨敏也はある小学校の女性教諭に注目する。彼女は独自の音楽療法を用いて不登校の児童たちを立ち直らせ,文部科学省からも教育者として高い評価を受けていた。が,彼女の一家を襲った惨劇が,彼女の人生を大きく変えてしまった。凶悪な犯行に及びながらも決して罰せられることがない犯罪少年に,彼女は激しく憎悪を燃やす。やがて復讐の一線を越えたとき,彼女のなかに冷酷な"もうひとりの自分"が宿りはじめた・・・・・。「催眠」の本格的なサイコミステリーに立ち返りつつ,より一層のリアリズムに満ちた精神医学と臨床心理学の世界を背景に,嵯峨の知識と能力の限りを尽くした活躍を描く新機軸スリラー最高傑作。
映画の影響なのだろうが,嵯峨敏也=稲垣吾郎(SMAP)と置き換えていつも読んじゃうんだよね。これがなかなか良い配役で全然違和感がないのだからすごい。
さて本の感想なんだけど,もう臨床心理士というよりも神への領域に達した超能力者といった感じでやや興ざめ。たまに平凡な人間くささを垣間見せるも,岬美由紀(これは水野美紀ね)同様にいささかやりすぎといった感じはいつものことなので,まぁ大目に見ておこう。
奥田 英朗の「イン・ザ・プール」読了
2004年10月22日 読書
ISBN:416320900X 単行本 奥田 英朗 文芸春秋 2002/05 ¥1,300
奥田 英朗 著 「イン・ザ・プール」 ★★★★
腹を抱えて笑ってください。心の底から笑えます。私の場合,読んでた場所が電車の中であったり,喫茶店の中であったりしたので,声に出して笑うことができなかったのだけれども,これは家にいて1人で読みゲラゲラと声を出し笑って読むことをお勧めします。私のように外でニヤニヤしながら読んでると変態と思われてしまいますから。それにしてもこの本の装丁。プール・裸の赤ちゃんとくれば,「ニルヴァーナ」を連想してしまうのわ私だけではないはずだ(?)
奥田 英朗 著 「イン・ザ・プール」 ★★★★
トンデモ精神科医伊良部登場!深夜のプールに忍び込みたいと思ったこと,ありませんか?水泳中毒,ケータイ中毒,持続勃起症・・・ヘンなビョーキの博覧会。新・爆笑小説。
腹を抱えて笑ってください。心の底から笑えます。私の場合,読んでた場所が電車の中であったり,喫茶店の中であったりしたので,声に出して笑うことができなかったのだけれども,これは家にいて1人で読みゲラゲラと声を出し笑って読むことをお勧めします。私のように外でニヤニヤしながら読んでると変態と思われてしまいますから。それにしてもこの本の装丁。プール・裸の赤ちゃんとくれば,「ニルヴァーナ」を連想してしまうのわ私だけではないはずだ(?)
西澤 保彦の「ナイフが町に降ってくる」読了
2004年10月21日 読書
ISBN:4396206437 単行本(ソフトカバー) 西澤 保彦 祥伝社 1998/10 ¥870
西澤 保彦 著 「ナイフが町に降ってくる」 ★★
ハッキリ言っちゃおう。「これはツマらん!」
設定は興味をそそるし,導入部の展開なども良いんだけど,それ以降はさっぱりって感じ。だらだらした展開がずっと続いて最後はそれかいっって感じでため息すら出たよ。トリックもほぼ分かってしまったし,トリックについてあれこれいい訳めいた後付けが,最後の救いすらも奪ってしまった。たまに「クスっ」って笑えたところもあったので,星はお情けで2つあげておこう。
西澤 保彦 著 「ナイフが町に降ってくる」 ★★
「どうなっちゃうの?」女子高生真奈は絶句した。突如「時間が停止」したのだ。謎の青年・末統一郎が何かに疑問を抱くと,この現象が発生するという。そして今まさに,ナイフの突き刺さった死体が眼前にあった。しかも,至るところに!この謎を解かない限り,二人以外のすべての人間,物体は永遠にストップ状態。"時間牢"脱出をかけた二人の謎解きが始まった!
ハッキリ言っちゃおう。「これはツマらん!」
設定は興味をそそるし,導入部の展開なども良いんだけど,それ以降はさっぱりって感じ。だらだらした展開がずっと続いて最後はそれかいっって感じでため息すら出たよ。トリックもほぼ分かってしまったし,トリックについてあれこれいい訳めいた後付けが,最後の救いすらも奪ってしまった。たまに「クスっ」って笑えたところもあったので,星はお情けで2つあげておこう。
加納 朋子の「ガラスの麒麟」読了
2004年10月19日 読書
ISBN:4062648865 文庫 加納 朋子 講談社 2000/06 ¥620
加納 朋子 著 「ガラスの麒麟」 ★★★☆
読後感がとっても良いね。連作ミステリとしての完成度も高いと思います。女性ならでわの感性とタッチが心地よい一作です。
本作では「保健の先生」が登場します。そこに集まる女生徒たち。外では出せない自分の裡を吐露します。保健室ってなんで人が集まるんだろ?かくいう私も中学生のときは保健室に入り浸ってたくちで。たんに授業をサボりたいというのと,年上の綺麗な先生とおしゃべりしていたいという理由からだが・・・。
加納 朋子 著 「ガラスの麒麟」 ★★★☆
「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに。」通り魔に襲われた十七歳の女子高生安藤麻衣子。美しく,聡明で,幸せそうに見えた彼女の内面に隠されていた心の闇から紡ぎ出される六つの物語。少女たちの危ういまでに繊細な心のふるえを温かな視線で描く,感動の連作ミステリ。日本推理作家協会賞受賞作。
読後感がとっても良いね。連作ミステリとしての完成度も高いと思います。女性ならでわの感性とタッチが心地よい一作です。
本作では「保健の先生」が登場します。そこに集まる女生徒たち。外では出せない自分の裡を吐露します。保健室ってなんで人が集まるんだろ?かくいう私も中学生のときは保健室に入り浸ってたくちで。たんに授業をサボりたいというのと,年上の綺麗な先生とおしゃべりしていたいという理由からだが・・・。
森 博嗣の「墜ちていく僕たち」読了
2004年10月18日 読書
ISBN:4087746348 新書 森 博嗣 集英社 2003/04 ¥819
森 博嗣 著 「墜ちていく僕たち」 ★★★
ずっと森流のおバカ小説なんかと思ってた。最後の数ページを読むまでは。キャラが立っているということと,この最後の騙しのおかけでなんとか星3つが限界かな〜ってところ。
森作品が好きな方でも,あまりお勧めはできないなぁ〜。
森 博嗣 著 「墜ちていく僕たち」 ★★★
ある日突然,男が女に,女が男に変わったら・・・?神出鬼没の摩訶不思議なインスタント・ラーメンが巻き起こすミステリアスな五つの物語。生まれてからずっと男でいつづけるのも,女で一生終わるのも,人間ってけっこう楽じゃない。性に悩めるあなたも,悩んだことなんて全然ないあなたも,さあ,そんな綱渡りのような固定観念を捨てて,性差の呪縛ものりこえて,新しい自由な世界へようこそ。
ずっと森流のおバカ小説なんかと思ってた。最後の数ページを読むまでは。キャラが立っているということと,この最後の騙しのおかけでなんとか星3つが限界かな〜ってところ。
森作品が好きな方でも,あまりお勧めはできないなぁ〜。
岡嶋 二人の「99%の誘拐」読了
2004年10月15日 読書
ISBN:4062747871 文庫 岡嶋 二人 講談社 2004/06 ¥730
岡嶋 二人 著 「99%の誘拐」 ★★★★★
驚いた。ホント驚いた。内容も超一級品だが,この本が出たのがなんと16年前だというのだから。現在のテクノロジーを考えれば,もっと効率の良いやり方があるし,警察の科学捜査ももっと突っ込んだ手法が取れただろうが,それでも完全犯罪は防げなかっただろうと思えるのだからすごい。岡嶋二人(井上夢人)といえば,コンピュータか誘拐が有名だが,このどちらも詰め込んだ本作は「クラインの壷」をある意味超えたかも・・・。
岡嶋 二人 著 「99%の誘拐」 ★★★★★
末期ガンに冒された男が,病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前,息子をさわられた時の記憶が書かれていた。そして十二年後,かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され,前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第十回吉川栄治文学新人賞受賞作!
驚いた。ホント驚いた。内容も超一級品だが,この本が出たのがなんと16年前だというのだから。現在のテクノロジーを考えれば,もっと効率の良いやり方があるし,警察の科学捜査ももっと突っ込んだ手法が取れただろうが,それでも完全犯罪は防げなかっただろうと思えるのだからすごい。岡嶋二人(井上夢人)といえば,コンピュータか誘拐が有名だが,このどちらも詰め込んだ本作は「クラインの壷」をある意味超えたかも・・・。
西澤 保彦の「黄金色の祈り」読了
2004年10月13日 読書
ISBN:4167674017 文庫 西澤 保彦 文藝春秋 2003/11/08 ¥690
西澤 保彦 著 「黄金色の祈り」 ★★☆
「青春ミステリ」というから明るい小説かと思ったら,めっちゃ暗〜い小説でした。ミステリとしてなんとか格好を保っているものの,内容的には弱いという印象。
この小説を読んでるとき仕事がめっちゃ忙しく頭の痛い問題が山積してたんだけど,この小説を読んだせいで余計に落ち込んでしまった。どうせ読むなら落ち着いて気分が良いときすることをお勧めします。
西澤 保彦 著 「黄金色の祈り」 ★★☆
他人の目を気にし,人をうらやみ,成功することばかり考えている「僕」は,高校卒業後,アメリカの大学に留学するが,いつしか社会から脱落していく。しかし,人生における一発逆転を狙って,ついに小説家デビュー。かつての旧友の死を題材に小説を発表するが・・・作者の実人生を思わせる,青春ミステリ小説。
「青春ミステリ」というから明るい小説かと思ったら,めっちゃ暗〜い小説でした。ミステリとしてなんとか格好を保っているものの,内容的には弱いという印象。
この小説を読んでるとき仕事がめっちゃ忙しく頭の痛い問題が山積してたんだけど,この小説を読んだせいで余計に落ち込んでしまった。どうせ読むなら落ち着いて気分が良いときすることをお勧めします。
西澤 保彦の「複製症候群」読了
2004年10月7日 読書
ISBN:4062734575 文庫 西澤 保彦 講談社 2002/06 ¥660
西澤 保彦 著 「複製症候群」 ★★★
相変わらずよくもまあ訳の分からん設定を考え付くものである。紹介文にあるように,光の幕に触れたら触れた人間のコピーができてしまうのだが,私の頭が弱いせいで,どっちがどっちだか良く分からなくなってしまった。こんな私が言うのもなんなんだが,"すべてが中途半端"という感が拭えない。「七回死んだ男」や「人格転移の殺人」を最初に読んでしまったおかげで,西澤・ヘンテコSFミステリときたら,期待せずにはいられないのだ。そんな彼の大傑作と比較させたら,星はまぁこんなもんだろう。
西澤 保彦 著 「複製症候群」 ★★★
兄へのコンプレックス,大学受験,恋愛。進学校に通う下石貴樹にとって,人生の大問題とは,そういうことだった。突如,空から降りてきた七色に輝く光の幕が人生を一変させるまでは・・・・・。触れたものを複製してしまう。七色の幕に密閉された空間で起こる連続殺人。極限状態で少年達が経験する,身も凍る悪夢とは。
相変わらずよくもまあ訳の分からん設定を考え付くものである。紹介文にあるように,光の幕に触れたら触れた人間のコピーができてしまうのだが,私の頭が弱いせいで,どっちがどっちだか良く分からなくなってしまった。こんな私が言うのもなんなんだが,"すべてが中途半端"という感が拭えない。「七回死んだ男」や「人格転移の殺人」を最初に読んでしまったおかげで,西澤・ヘンテコSFミステリときたら,期待せずにはいられないのだ。そんな彼の大傑作と比較させたら,星はまぁこんなもんだろう。
浦賀 和宏の「こわれもの」読了
2004年10月5日 読書
ISBN:4198505608 新書 浦賀 和宏 徳間書店 2002/04 ¥840
浦賀 和宏 著 「こわれもの」 ★★★☆
久しぶりに浦賀の良さを見られたような感じです。汚い言葉使いや性描写は多少あるものの,花村萬月のように浦賀にとっては,切っては離せないものなのかもしれない。星の勘定として4つ星をあげられなかったのは最後の怒涛のどんでん返しに対する伏線がまるでなかったこと。最後に絶句するのもまた良いけど,読み終わって後に,「あ〜,あれがあーなって,そんで・・・フンフン」といった感じに感慨に耽りたい方が私の好みである。
浦賀 和宏 著 「こわれもの」 ★★★☆
売れっ子マンガ家,陣内龍二の婚約者・里美が交通事故で死んだ。ショックのあまり,自作のヒロインを作中で殺してしまう。たちまちファンからの抗議が殺到。その中に里美の死を予知した手紙があった。日付は事故の数日前。陣内が手紙の差出人を訪ねると,神崎美佐という48歳の落ち着いた女性だった。部屋には作中のキャラクターが飾られ,熱心なファンであることを示している。何故,神崎は里美の死を予知できたのか?そして,予知された死は防げないのか?23歳の俊英が挑む迷宮的ミステリー!
久しぶりに浦賀の良さを見られたような感じです。汚い言葉使いや性描写は多少あるものの,花村萬月のように浦賀にとっては,切っては離せないものなのかもしれない。星の勘定として4つ星をあげられなかったのは最後の怒涛のどんでん返しに対する伏線がまるでなかったこと。最後に絶句するのもまた良いけど,読み終わって後に,「あ〜,あれがあーなって,そんで・・・フンフン」といった感じに感慨に耽りたい方が私の好みである。
西澤 保彦の「死者は黄泉が得る」読了
2004年10月2日 読書
ISBN:4062730898 文庫 西澤 保彦 講談社 2001/02 ¥700
西澤 保彦 著 「死者は黄泉が得る」 ★★★☆
かな〜り前に「西澤作品コンプリート計画発動」とか言っておきながら随分とご無沙汰となっていた。というのも,良く行く本屋さんには西澤作品が全然置いていないのだ。また出来ればBOOK OFFなどの中古で買い揃えたいとかファンとしてはあるまじき考えを持っていたためこのような事態となっていた。が,どうしても西澤作品を読みたくなって,どうにかこうにか8作を手に入れた。
そして今回読んだのはノンシリーズ物。相変わらず変な装置を考え出しちゃってます。登場人物が横文字の人たちなので読むのに少々疲れたが,なんだか良く分からないうちに,西澤流のテンポに嵌ってスイスイと読めたと思う。まぁ面白かったことに違いはないのだが,今回の話の基盤となる装置の必然性について説明がなかったのが残念だ。「人格転移の殺人」での装置については,納得のいく面白い説明/解釈を残していたのに・・・・・。
まだまだ著作は多い。楽しみである。
西澤 保彦 著 「死者は黄泉が得る」 ★★★☆
死者を蘇らせる装置のある謎の館。そこには生ける屍と化した女性達が,生前の記憶を一切失ったまま,仲間を増やしながら生活していた。その隣町では,美女を巡る不可解な連続殺人が・・・・・。犯人のねらいは?そして事件と生ける屍たちの関係は?意外なラストは他言無用,奇手妙手を尽くした西澤流本格推理。
かな〜り前に「西澤作品コンプリート計画発動」とか言っておきながら随分とご無沙汰となっていた。というのも,良く行く本屋さんには西澤作品が全然置いていないのだ。また出来ればBOOK OFFなどの中古で買い揃えたいとかファンとしてはあるまじき考えを持っていたためこのような事態となっていた。が,どうしても西澤作品を読みたくなって,どうにかこうにか8作を手に入れた。
そして今回読んだのはノンシリーズ物。相変わらず変な装置を考え出しちゃってます。登場人物が横文字の人たちなので読むのに少々疲れたが,なんだか良く分からないうちに,西澤流のテンポに嵌ってスイスイと読めたと思う。まぁ面白かったことに違いはないのだが,今回の話の基盤となる装置の必然性について説明がなかったのが残念だ。「人格転移の殺人」での装置については,納得のいく面白い説明/解釈を残していたのに・・・・・。
まだまだ著作は多い。楽しみである。
高田 崇史の「QED 式の密室」読了
2004年9月30日 読書
ISBN:4061822292 新書 高田 崇史 講談社 2002/01 ¥735
高田 崇史 著 「QED 式の密室」 ★★★
読み終えてから気づいたのだが,前回読んだ「竜馬暗殺」よりも前の作品だった。そんな事はどうでも良いだろうと思われるだろうが,やはり既刊順に読みたいと思うのが心情だ。そんな私を「A型人間だね〜」と良く言う輩が多いが,私は血液型による性格判断などは,まるっきり信じていない。なのだが,某番組の「血液型選手権」でA型が1位をとると少なからず嬉しいのはなぜだろう・・・・・?
随分と話がそれてしまった。今回はのテーマは「安倍晴明」である。「安倍晴明」関連の本は結構読んできてるので,知っている薀蓄があるのは仕方がないが,この著者なりの面白い解釈などが読めたのは幸いであった。出来るなら長編でこのテーマに望んで欲しかったのだが,この「講談社密室シリーズ」は,ページ数に制限があったようなのでしょうがない。先日,テレビで「陰陽師2」がやってたのでビデオにとった。1もそこそこ面白かったので,これから見るのがとても楽しみだ。
高田 崇史 著 「QED 式の密室」 ★★★
密室で,遺体となって見つかった「陰陽師の末裔」。"式神"を信じる孫の弓削和哉は他殺説を唱えるが・・・・・。果たして,崇の推理は事件を謎解くばかりか,時空を超えて"安倍晴明伝説"の闇を照らし,"式神"の真を射貫き,さらには"鬼の起源"までをも炙り出す。これぞ,紛うことなきQED!20周年特別書き下ろし作品!!
読み終えてから気づいたのだが,前回読んだ「竜馬暗殺」よりも前の作品だった。そんな事はどうでも良いだろうと思われるだろうが,やはり既刊順に読みたいと思うのが心情だ。そんな私を「A型人間だね〜」と良く言う輩が多いが,私は血液型による性格判断などは,まるっきり信じていない。なのだが,某番組の「血液型選手権」でA型が1位をとると少なからず嬉しいのはなぜだろう・・・・・?
随分と話がそれてしまった。今回はのテーマは「安倍晴明」である。「安倍晴明」関連の本は結構読んできてるので,知っている薀蓄があるのは仕方がないが,この著者なりの面白い解釈などが読めたのは幸いであった。出来るなら長編でこのテーマに望んで欲しかったのだが,この「講談社密室シリーズ」は,ページ数に制限があったようなのでしょうがない。先日,テレビで「陰陽師2」がやってたのでビデオにとった。1もそこそこ面白かったので,これから見るのがとても楽しみだ。
森 博嗣の「虚空の逆マトリクス」読了
2004年9月28日 読書
ISBN:4061822969 新書 森 博嗣 講談社 2003/01 ¥819
森 博嗣 著 「虚空の逆マトリクス」 ★★★
4冊目となる森ミステリの短編集。これまでよりかは,佳作の多い本であったように思う。そのなかで,「トロイの木馬」なんかは著者らしさが前面にでている。専門用語が頻繁にでてきて理解のできない人がいるのではとも思うが,まぁ著者なりに割り切ってのことなのだろう。「すぺてがFになる」に比べれば易しかったので私的にはよし。他,「話好きのタクシードライバ」と「ゲームの国」が好みかな。S&Mシリーズの面々がでてくる作品はあるのに,Vシリーズ絡みの話がなかったのは少々残念であった。
森 博嗣 著 「虚空の逆マトリクス」 ★★★
資産家令嬢西之園萌絵にとって,その晩は特別な夜になるはずだった。ところが,小さなすれ違いから,誘拐事件の謎ときに・・・・・。(「いつ入れ替わった?」)
海辺の街の停留所で毎日バスを待ちつづける女性の背後に潜む謎。(「赤いドレスのメアリィ」)
輝きに満ちた森ミステリの宝箱。全7編収録。
4冊目となる森ミステリの短編集。これまでよりかは,佳作の多い本であったように思う。そのなかで,「トロイの木馬」なんかは著者らしさが前面にでている。専門用語が頻繁にでてきて理解のできない人がいるのではとも思うが,まぁ著者なりに割り切ってのことなのだろう。「すぺてがFになる」に比べれば易しかったので私的にはよし。他,「話好きのタクシードライバ」と「ゲームの国」が好みかな。S&Mシリーズの面々がでてくる作品はあるのに,Vシリーズ絡みの話がなかったのは少々残念であった。