ISBN:4061821903 新書 浦賀 和宏 講談社 2001/05 ¥756

浦賀 和宏 著 「眠りの牢獄」 ★★★



初作から数えて6作目で,やっとこさ安藤君がでなかった(笑)

今作は叙述トリック。見事にやられました。

でも衝撃度的にはイマイチかなぁ〜。

ちょっと反則気味って思うけど,叙述トリックってそんなもんか。

この人には珍しくとても短い作品だったが,まぁ上手く纏めていたと思います。

でも今作は一発ものなので,シリーズにはなんないだろうな。
ISBN:4062097966 単行本 奥田 英朗 講談社 2001/04 ¥1,995

奥田 英朗 著 「邪魔」 ★★★☆





前作「最悪」同様に,ディティールの描き込みは素晴らしい。

文庫にして800ページに及ぶ長編も退屈させることなく読み進めさせる筆力は申し分ないのだが,結末がとても中途半端であったために,この大作において作者のメッセージが良く伝わってこないのが少々残念であった。

今作はとても陰鬱で話が全編的に暗く,登場人物にも同情的になりずらいところも評価を下げさせる要因であったのかもしれない。

それでも力作だと受けとめられるので星は3.5としておこう。
東野 圭吾 著 「おれは非常勤」 ★★★

すんげー昔に「分身」を読んでそこそこ面白かった記憶はあるのだが,作品数が多いだけに何から読んでいいのやら悩んでいて,ずーっとご無沙汰になっていた東野作品。

久々に読んでみようと本屋に行くも,やはり何を読んだらいいかわからず,軽そうな本作を手にとってみた。

そんで感想。
これは児童向けの作品だね。
「5年の学習」などの児童書に寄せていた作品を文庫化にしたのだと知ったのは読み終わってからのこと。

でもたまにはこんな軽いお話も良いね。
謎解きも,なぞなぞみたいな感じで真相が分かると「な〜んだ」って笑い飛ばせる単純さ。

重たい作品を読み終わった後に読むと良い作品だと思いますよ。
ISBN:4061821660 新書 森 博嗣 講談社 2001/01 ¥840

森 博嗣 著 「今夜はパラシュート博物館へ」 ★★☆





この著者の短編てホント面白くないねぇ〜。

でもたま〜に秀作があるから見逃せない。

本書では,「どちらかが魔女」と「卒業文集」の2作が良いかな。

「ぶるぶる人形にうってつけの夜」では,萌絵と練無が絡んでくるので,これはファンへのサービスなのでしょう。

その精神は高く評価するとこです。
ISBN:4062737272 文庫 貫井 徳郎 講談社 2003/04 ¥700

貫井 徳郎 著 「妖奇切断譜」 ★★★★





私のお気に入りの作家さん。

うん。今回も楽しませいただきました。

本作は人肉を喰うお話が少しだけ出てきます。

作家自らが「グロイ」というだけあって,冒頭の部分では多少読む気が萎えたが,読み進めるとどんどん嵌っていく筆力には唸らせられます。

京極堂みたいにもう少し身近なキャラを増やしてくれれば,もっと楽しめるような気がします。

昔に比べたらだいぶ砕けてきたけど,真面目な作家さんですな〜。
ISBN:4062739496 文庫 井上 夢人 講談社 2004/02 ¥980

井上 夢人 著 ダレカガナカニイル・・・ ★★★★☆



「13階段」を引っ張り出したときに一緒にでてきたこの本。

これまたずいぶんと積読していたものだ。

岡嶋二人に嵌っていたときに,適当に手に取った記憶がかすかによみがえる。

そんで読んでみた。

「うぉー,井上泉やりおったー」(一徹風)

いやいや,井上"夢人"か(笑)

これは「クラインの壷」を越えたよ。

相変わらず文章が上手いね〜。

題材頼りで筆力がいまいちって作家が多い中,この人は題材も筆力もホントどちらも凄いです。

「コンピューターの熱い罠」を始めて読んだときを思い出したよ。

まぁ岡嶋時代は徳山諄一のアイデアありきだったけど。

あと「メドゥサ,鏡をごらん」も見っけたので,また暫くしたら読むとしますか。

点数は満点とはいかぬが,納得の4.5を贈呈させていただく。
ISBN:4093861277 単行本 松岡 圭祐 小学館 2003/09 ¥1,680

松岡 圭祐 著 「イリュージョン:マジシャン第2幕 ★★★★




何も考えずにサクッと読める松岡圭祐の小説。

気楽に読みたい気分のときに重宝する作家だ。失礼な(笑)

今作もちょっとばかりの社会問題に触れてはいるが,完全な娯楽小説である。

千里眼シリーズで,いくらフィクションのエンターテイメントだからといって,「そりゃ,やりすぎでしょ」ってなところもあまり見受けられず,ホント素直に楽しめる作品であった。

まだまだこの作家にはお世話になりそうだ。

既刊され未読本もあと2冊ほどあるので非常に楽しみである。

でも次に読みたくなるのは,いつになるのやら・・・・・
ISBN:4062108569 単行本 高野 和明 講談社 2001/08 ¥1,680

高野 和明 著 「13階段」 ★★★☆




また江戸川乱歩賞の作品です。

「脳男」よりは面白かったです。

以上。




いやいやさすがにこれじゃまずいか(笑)

この作品が賞をとったときは「ふ〜ん」てな感じだったんだけ

ど,そのうち映画化なんて話がでてきて,そんでもって反町がで

るつーもんだから騒ぎが大きくなり,レビューなんかをちらちら

見だしたらどーにも読みたくなってきてついに買ってしまった。

つっても,かな〜りなが〜い間,積読状態に入っていて,本の

整理をしてたときに下のほーから,埃と一緒にでてきたので,そ

ろそろ読んでやるかという事で読んだしだい。

まったく最初の熱はなんだったんだか・・・


そんで感想なんだが,最初から最後までズーンとずっと暗い展開

が続くのよね。

最後に救いがあるのかつったら,なんとも微妙な結末。

基本的に,ハッピーエンドが好きなお子様的嗜好で,結末に疑問

を残したり,読者の判断に委ねるようなのは苦手なのだ。

まあ結局そんなこんなで,お話的には星4つレベルの作品だったの

だが,結末に納得がいかず星3.5とさせていただく。


☆桜井理美さんへ☆

日記登録させていただきました。
参考になるレビュー楽しみにしてます!

☆867さんへ☆

まぁ夜露死苦(笑)
ISBN:4061821288 単行本(ソフトカバー) 浦賀 和宏 講談社 05/2000 ¥861

浦賀 和宏 著 「記号を喰う魔女」 ★★☆





うわー,ダメだこういうの。

人肉を喰う話とか出てくるのよ。

こういうグロい話とかホラーは受けつけないんだよね。

感想を書くにも気分が悪くなってくる。

人肉文化と魔女の歴史についての薀蓄は楽しめた。

よって,大甘の採点で星は2.5とする。

3月25日の日記

2004年3月25日 読書
3月3日でふれた,「四季 愛蔵版」なんだけどね。

あれってたしか,6000部限定だったよね?

そして重版しないんだったよね?

なのに,なんでさ?

行く書店のどこでも平積みされてるのは??

必死こいてゲットしたワシはどうなのよ???

なんか一人空しくなったわ・・・
ISBN:4061821458 単行本(ソフトカバー) 森 博嗣 講談社 09/2000 ¥840

森 博嗣 著 「魔剣天翔」 ★★★




Vシリーズもとうとう5作目。

あのへんてこキャラ(笑)にも慣れてきたよ。

今作はなんか久しぶりにミステリーらしかったな。

でも飛行機の翼があ〜だ〜こ〜だという薀蓄はいらない。

めちゃ自分の趣味が入ってるなぁ〜って感じでちょいうざかった。

あとトリックだけどさ,アレってありなの?

「ここに秘密扉が!」っていう反則技のような気が・・・・・

ノックスの十戒やヴァン・ダインの二十則すらお構いなしなの?

まぁ結局はキャラだけで,星は3つあげてしまうんだけどね。
ISBN:4062739178 文庫 野沢 尚 講談社 ¥695

野沢 尚 著 深紅 ★★★




この人の小説っていつも暗〜い話になるのね。

「呼人」はまだ明るいところもあったけど。

それと感想が書きづらい・・・・・

つーことで,今回は採点のみで。
ISBN:4396207557 新書 伊坂 幸太郎 祥伝社 ¥838

伊坂 幸太郎 著 陽気なギャングが地球を回す ★★★★



手持ちの本がなく書店で何気なく手に取った本作が見事にヒットした。

本作の主役は銀行強盗をする4人。

他人の嘘を絶対に見破ってしまう人間嘘発見器こと成瀬。
口が達者で銀行強盗中に演説する響野。
偏った動物愛好家で天才スリ師の久遠。
完璧な体内時計をもつ紅一点の雪子。

このキャラクター設定だけで楽しさが窺えようものだが,これまた内容がとっても痛快でテンポよく楽しく読ませてくれた。

この中でお気に入りなキャラは響野さん。
口を開けば嘘ばかり。たまにの真実も嘘に聞こえてしまう狼少年っていうか狼中年。それでも仲間との信頼関係に嘘はなく,忠義に熱い頼れる男。うん,ホントかっこいいです。
ISBN:4062123312 単行本 森 博嗣 講談社 ¥3,800

ゲットに成功!

なにやら限定6000部で重版はしないらしい。

しかし3800円て・・・。こんな高価な本はじめて買ったよ。
ISBN:4062738449 文庫 高田 崇史 講談社 ¥619

高田崇史 著 QED - ベイカー街の問題 ★★★





quod erat demonstrandum -証明終わり-

なんて素敵なタイトルなんだろう。

"QED"の第一作「百人一首の呪」を手にとるのに躊躇いは全くなかった。

そして読み終えた後,私のインスピレーションに誤りがなかった事に我ながら感慨を覚えた。

続く第二作「六歌仙の暗号」

第一作に劣ることない作品に,これまた満足の度合いを深めた。

さて第三作の本作だが,いったいどうしてしまったのだろう?

あの冷淡なる薀蓄の語らいが殆どないではないか。

また事件も陳腐であるし,肝腎の証明が弱すぎる。

いやいや,「"QED"に限ってこれはあるまい」ということで,

サラサラと読み直してみるものの,最初の感想を覆すことはなかった。

う〜ん,やっぱりワタシが「ホームズ」に興味がないのが原因なのだろうか?

自作からは民俗学の分野に戻るようなので,次作以降に期待を寄せる。
ISBN:4163217207 単行本 歌野 晶午 文芸春秋 ¥1,857

歌野晶午 著 「葉桜の季節に君を想うということ」 ★★★★




久しぶりに気持ちよく読み終えた1冊だった。

「このミステリーがすごい!」第1位
「本格ミステリ・ベスト10」第1位
「週間文春ミステリーベスト10」第2位

ちょっと過大評価が過ぎるような感はあるが,まぁ売れる要素は詰まっていたような気がします。

なによりワタシの好きな叙述トリックを用いていたこと。

この手のトリックは,ひとたび誤れば一気に駄作へと転じてしまう危うさを秘めているのだが,本作は見事にワタシを騙しきってくれた。

叙述トリックとばらしておいてなんだが,今後読まれる方もいるであろうから内容については触れずにしておこう。

ミステリが苦手の方でもサクッと読める1作であるので,これからミステリに挑戦してみようと思う方にお奨めしたい。
ISBN:4062738376 文庫 首藤 瓜於 講談社 ¥590

首藤 瓜於 著 「脳男」 ★★



第46回江戸川乱歩賞受賞作。

個人的にこの賞は,当たりかはずれの両極端になってしまう。

そして今作は星数で分かるとおり「はずれ」の方でした。


受賞作というよりかは,タイトルに惹かれて購入し,"脳"に関してどのような作品を作り上げているかに興味を持ったのだが,見事にそれを裏切られてしまった。

もっとなんかこう,"脳"についての薀蓄やら,それにまつわる事件性を期待していたのだが,両者とも中途半端極まりない作品に落ちてしまっている。

それと,「いろいろ調べて一生懸命書きました」っていう感じが前面に出すぎている気がして疲れる。

登場人物に魅力が全然ないのも原因だけど,全体的にすべてがかたっくるしく,のめりこめる要素が何一つなかった。

構想自体は良かったので,後は文章に軽快さをもたせる筆力がついてくれればといったところです。

ちょっと,辛口すぎたかしら・・・・・


ちなみに,この賞の最大ヒットは,第41回受賞である

イオリンこと藤原伊織の「テロリストのパラソル」

本作は,直木賞とのW受賞作で,確かに納得の一作でした。
ISBN:4061820974 単行本(ソフトカバー) 浦賀 和宏 講談社 ¥940

浦賀 和宏 「とらわれびと ASYLUM」 ★★★☆



前作の「頭蓋骨の中の楽園」で,安藤シリーズが完結したのかと思いきや,またまた安藤が登場です。

「まだこのキャラクタ達で行くのかよ」と,最初はがっくりきたが,やっぱあの壊れた安藤をはじめ,ほとんど普通の人がでてこないキャラ設定にやられました。

キャラも普通じゃなければ,話も普通じゃない(笑)
時間を忘れるくらい没頭させられるけど,読んでいて頭が混乱してきて軽い眩暈を感じざるを得ない感じです。
裏表紙には,圧倒的な眩暈感!ってありましたが・・・

最後ごちゃごちゃと真相だして纏めてましたが,ちょっと苦しい印象をうけました。
そこだけ残念で,星を半分へらして3つ半とさせていただく。

お話は,3部作(?)と思われる話の流れを汲んでいて,これだけ読むと「何がなにやら・・・」ってなるかもしれないです。

浦賀作品が気になった方は,

1.「記憶の果て」
2.「時の鳥籠」
3.「頭蓋骨の中の楽園」

という順番に読んだ方が良いでしょう。

続けて3作読むと,この著者の書きたかったことが分かって,
「おぉ〜,そうなんかー」と納得できることでしょう。

いづれも長編なんで,時間はかなりかかるかも・・・

なにやらまだ安藤作品が続いてるようなので,また日をおいて読むとするか。
ISBN:4062637782 文庫 西澤 保彦 講談社 ¥714

西澤保彦 著 「完全無欠の名探偵」 ★★★

デビュー作と同じ手法で,「あれれっ」って感じだよ。
短いエピソードを繋いだ先には・・・・・ってやつね。
間をおいてれば良かったんだけど,これはちょっと興ざめです。

初めて読んだ「7回死んだ男」の衝撃がハンパじゃないくらい
ものすごかったので,あれこれと読んだんだけど,やっぱり
デビュー作に近いほど文章に軽快さがたりないなぁ。

まぁ西澤お得意の「ヘンテコSFミステリ」は健在でした(笑)

そして高知弁は読みづらかったけど面白かった。

まぁそんなことで,★3つ。

次は「麦酒の家の冒険」を読む予定。
ISBN:4062632780 文庫 綾辻 行人 講談社 ¥619

綾辻行人著 「黒猫館の殺人」 ★★★☆

これにて既刊の館シリーズ読破。
「暗黒館の殺人」ってのが今年の夏に上梓される予定だそうだ。楽しみなり。

さてさて感想ですが・・・ 

さすがは綾辻。読ませる力はかなりのものがある。
今回は作中にある人物による「手記」を織り交ぜて展開している。
本来なら最後に手記を書いた人物が分かったときに衝撃をうけるのであろうが,ミステリが好きで数多くの作品を読んだ方なら,おおよその想像がついて衝撃度が下がるのではないかと思う。
なにせ私がそうだったから・・・。
ここでかなりの減点対象となった。

その他の減点対象として,Who? & Why? & How? の三大要素が少々強引である印象をうけたのも残念であった。

ここで館シリーズの順位をつけておこう。

1位:時計館の殺人 (文句なし。さすが新本格の旗手といったところ)
2位:十角館の殺人 (内容は完璧。犯人が途中でわかってしまったので減点)
3位:迷路館の殺人 (作中作が良かった)
4位:黒猫館の殺人 (手記というアイデアが良かった)
5位:水車館の殺人 (普通すぎ。平坦で面白みにかけた)
6位:人形館の殺人 (感性にあわなかった。)

 

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