ISBN:4396207409 新書 綾辻 行人 祥伝社 2002/06 ¥1,300

綾辻 行人 著 「霧越邸殺人事件」 ★★★★

或る晩秋,信州の山深き地で猛吹雪に遭遇した8人の前に突如出現した洋館「霧越邸」。助かった・・・・・安堵の声も束の間,外界との連絡が途絶えた邸で,彼らの身にデコラティブな死が次々と訪れる!密室と化したアール・ヌーヴォー調の豪奢な洋館。謎めいた住人たち。ひとり,またひとり――不可思議極まりない状況で起こる連続殺人の犯人は?驚愕の結末が絶賛を浴びた超話題作。


この作品は館シリーズには組み込まれないらしいのだが,「暗黒館の殺人」が長い年月を経てようやく発売となり,いちおう館モノなので先に読んでおこうと,これまた長い間積読しておいたのを引っ張りだしてきた。

猛吹雪によって外界から隔絶された洋館。そこでひとり,またひとりと殺されていく―――。はい,本格モノの定番ですな。「国祠の島」のレビューで触れたように,半端なトリックは許されない。まぁ綾辻の事だから,その辺の心配はしていなかったのだが,ちょっと期待しすぎていたようだ。ストーリーの展開はさずがに良い。良いのだが新鮮な驚きが得られなかった。巷では本書が綾辻の最高傑作という声も多いのだが,私的には「時計館の殺人」にはるかに劣ると言わざるを得ない。採点を落とした要因は,「あれっ?これはおかしいぞ。こいつが真犯人なのでは??」と思っていたところが実際に最後の解決段階で指摘されているのだ。やっぱりミステリでは,思いもよらない結末が待っていて欲しいものだ。冒頭でも触れたが「暗黒館の殺人」が発売となった。もちろん即ゲットした。上下巻で京極夏彦の「宴の支度・宴の始末」級に長ーいのだが,非常に楽しみである。少しほとぼりを冷まし,読みたい欲求に駆られたときに貪りつくしたいと思う。ホント楽しみだ。
イタリア系のダイニング・バーに行ってきた。

「さっぱりした物が食べた〜い♪」と抽象的なことを言われても困るのだ。勝手知ったる街といえども,いざ「何処に行こうか」と考えると余り思い浮かばない。とぼとぼと歩いていると,以前に言ったことのある店を思いだした。何系の店なのかはすっかり忘れていて,いざ着いてみたらイタリア系だったというわけだ。ぜんぜん「さっぱり」ではないが,もう歩きたくないのでガマンしてもらった。

さてメニュー。サーモンのマリネ。マグロのなんとか?。シーザーズサラダ。生春巻き。なんとかピッツァ。その他もろもろ。ぜんぜん「さっぱり」ではないが,目の前に料理がくると結局はなんだかんだと食うもんだ。まぁ味は比較的良い。味音痴な私だが美味しかったと言ってよいだろう。そのなかで,ピッツァだが"ブルーチーズ"がもろのってるカットがあったのだ。苦手だったのだが,あの嫌な味を再確認してみたく口にしてみたが,嫌いなものはやっぱ嫌いなのだと再認識して残りを相手に押し付けた。どうやら相手も嫌いらしく,そのまま残せばいいものを,なぜか「じゃんけん対決」になっており,私が勝ったのに3回勝負だなどとお決まりの悪あがきをしたが,やっぱりそういう言いだしっぺは負けるようにできてるらしく,しっかりと完食してもらった。

そして支払い。男らしく「奢るよ!」と言いたいところだが,いろいろと事情もあり割り勘という前約束があった。だが食事の最中に見事に相手の口車に乗せられ「いま戦っているサッカーのインド戦は○対○でどっちが勝ってるか」の賭けに負け,結局は大半を支払わされる結果となった。

いま仕事が忙しく,この人なしではやっていけない状態が続いているので感謝の印ということにしておこう。そんでまた明日からこき使ってやろうと企んでるのである。(フフフ
ISBN:406274760X 文庫 幸田 真音 講談社 2004/05 ¥470

幸田 真音 著 「eの悲劇―IT革命の光と影 ★★★☆

eビジネスで成功し時代の寵児となった男は,なぜ大銀行のビルから飛び降りようとしたのか。安値更新していた株が急騰,最新設備を誇る外資系通信会社で何が起こったか――証券会社を辞め,警備会社に再就職した中年男が直面する事件の数々。刻一刻と進化する経済社会を生き抜く人間たちを熱く描いた傑作!


著者初の連作短編集。だが,今までと同じように坦々と物語りは進んでいく。この人が書く主人公はいつも有能で切れる。今回も,今でこそ警備会社職員と落ちぶれてはいるが,元は証券会社のトップディーラーでエリート。そんな主人公の脇役として,いまでいう若者然とした元航空自衛隊が良い味を出している。別にエリートばかりが悪いとは言わないが,たまにはうだつのあがらないダメダメな人間を軸においた作品を書いてくれればいいなとも思うのである。サクセスストーリーなんかも良いかもしれない。「マネーハッキング」のような犯罪物をもう一度書いてくれるなら尚良いのだが・・・・・。今後も期待する。
ISBN:404425303X 文庫 乙一 角川書店 2002/12 ¥480

乙一 著 「さみしさの周波数」 ★★★☆

「お前ら,いつか結婚するぜ」そんな未来を予言されたのは小学生のころ。それきり僕は彼女と眼をあわせることができなくなった。しかし,やりたいことが見つからず,高校を出ても迷走するばかりの僕にとって,彼女を思う時間だけが灯火になった・・・<未来予報>。ちょっとした金を盗むため,旅館の壁に穴を開けて手を入れた男は,とんでもないものを掴んでしまう。<手を握る泥棒の物語>他2編を収録した,短編の名手・乙一の傑作集!


またまた乙一です。挿絵もすっかり気に入りました!

■未来予報 あした,晴れればいい。
読んでて,こっ恥ずかしいです。誰でも幼少時は同じような経験をしてるんだなぁ〜と思った。甘酸っぱいです。

■手を握る泥棒の物語
これが一番良かった。読み終えてから,いろいろとこの書かれていない先にはどうなるんだろと想像したくなるのが短編では良い作品である証拠。

■フィルムの中の少女
怖いよー。ただのホラーで終わらせないラストにしたのは,とっても良かったと思う。乙一らしいね。

■失われた物語
救いがなく真っ暗で悲しいお話。これだけ書き下ろしたみたいだけど,これを書くとき著者は「ブルー」だったんですかね?
ISBN:4044253021 文庫 乙一 角川書店 2001/05 ¥500

乙一 著 「きみにしか聞こえない―CALLING YOU」 ★★★

私にはケイタイがない。友達が,いないから。でも本当は憧れている。いつも友達とつながっている,幸福なクラスメイトたちに。「私はひとりぼっちなんだ」と確信する冬の日,とりとめなく空想をめぐらせていた,その時。美しい音が私の心に流れだした。それは世界のどこがで,私と同じさみしさを抱える少年からのSOSだった・・・・・。(「Calling You」)誰にもある一瞬の切実な想いを鮮やかに切り取る”切なさの達人”乙一。表題作のほか,2編を収録した珠玉の短編集。


また乙一です。そんで挿絵もとっても多いです。

■Calling You
携帯電話のお話。でもただの携帯電話ではない。頭の中で創造していた携帯電話が突然鳴り響き現実のものとなるのだ―――。

携帯電話ってホント皆もってるよね。学生なんかは電車の中でたえずいじってるけど,「なにをそんなに連絡とりあってるんだろ」と不思議に思う。「携帯をいじるな!」とは言わないけど,せめてボタン確認音だけは消してください。ピコピコとホントうざいです。そんな事を言う私はもうオヤジなのかしら・・・・・。

■傷―KIZ/KIDS―
なんか青いです。青いんだけど,オレにもこういう時期があったんだよなと感慨深げになる。こういった思いを忘れてはならないなと―――そう思った。

■華歌
不思議小説。何に分類すればいいんだか分からんけど,ミステリなんだろう。すっかりだまされてしまいましたから・・・・・。それもこれも挿絵の影響が大きい。挿絵もこういう使い方があるんだね。だけどズルイヨ・・・・・。
ISBN:4044253013 文庫 乙一 角川書店 2000/12 ¥580

乙一 著 「失踪HOLIDAY」 ★★★

14歳の夏休み,わたしはいなくなった―――。大金持ちの一人娘ナオはママパパとの大喧嘩のすえ,衝動的に家出!その失踪先は・・・・・となりの建物。こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが,自体は思わぬ方向に転がって・・・・・!?心からやすらげる場所を求める果敢で無敵な女の子の物語。その他うまく生きられない「僕」とやさしい幽霊の切ない一瞬,「しあわせは子猫のかたち」を収録。きみが抱える痛みに,そっと触れます。


初です,角川スニーカー文庫。表紙がかわいらしい少女の絵なので,なんとなく恥ずかしくてネットにて購入した。表紙は裏返しにして隠せるからまだいいのだけど,中に何枚か挿絵があり,それがとっても少女チックの絵で,電車の中で読んでて覗き込まれたりすると,「いい大人がなに読んでんだよ」とか怪しげな目で見られるてるのではないかと不安になる。そんな本です。
さて中身です。

■「しあわせは子猫のかたち」
ラストがとっても良いです。癒されます。このごろ公私に忙しくてストレスの溜まる日々だったけど,こういう作品を読むととっても心が癒されます。あとネコ。ネコが良い。ネコ好きなんだと再認識した。ビバネコ!

■「失踪HOLIDAY」
したたかなオンナがいました。オンナは怖いです。たまに別の生き物のように錯覚します。会社でもオンナを敵にまわすと仕事になりません。なんとか上手くやってるつもりだけど,陰口とかたたかれてるかと思うと夜も眠れません。ウソです・・・。でもそのくらいオンナは怖いです。セクハラには気をつけよう(笑)
ISBN:4396207085 新書 小野 不由美 祥伝社 2001/02 ¥930

小野 不由美 著 「黒祠の島」 ★★★

その島は風車と風鈴に溢れ,余所者には誰も本当のことを話さなかった―作家葛城志保が自宅の鍵を預け失踪した。パートナーの式部剛は,過去を切り捨てたような彼女の履歴を辿り,「夜叉島」という名前に行き着いた。だが,島は明治以来の国家神道から外れた「黒祠の島」だった・・・。そして,嵐の夜,神社の樹に逆さ磔にされた全裸女性死体が発見されていた・・・。島民の白い目と非協力の下,浮上する因習に満ちた孤島連続殺人の真相とは?実力派が満を持して放つ初の本格推理!


初めて読む小野不由美作品に慣れなかったのか,それとも久しぶりに読むことになった本格推理物についていけなかったのか判然としないが,なんとも読みきるのに疲れた作品であった。

プロットとしては,閉ざされた孤島であったり,古い因習が要因にある事件であったりと,まぁありがちな設定である。しかし作家達は,その定番の設定を用いながらも「アッ!」と言わせるトリックを用意しなくてはならない。あまりにも定番であるため,使い古された安易なトリックは使えないのだ。作家も難儀なことだが,ミステリマニアの増えた昨今では,これはもう作家と読者の戦いだ。ミステリ作家は意地でも,読者に勝利し続けなくてはならい使命にある。そして私はその戦いに見事に敗れたことにはなるのだが,なんとも納得がいかないのである。気持ちよく完敗であったと素直になれないのだ。読んでる最中に,京極夏彦の「鉄鼠の檻」を思い浮かべたりしたのだが,京極ならこの設定でどのようなトリックを用いてくれたであろう?と思わせた時点で大分採点を落とさざるを得ない。また採点を低くした要因として,探偵役の華のなさがある。別に華がなくても構わないのだが,やはり一癖あるくらいが探偵として良いアジがでるのだけど,本作の探偵はまったくの常識人であり普通の人なのである。これではちっとも面白くない。やっぱり今のミステリには,ガチガチの本格にも多少のユーモアを持たせてくれないとね。ちょっといろんな意味で残念であった作品でした。
ISBN:4061822470 新書 浦賀 和宏 講談社 2002/05 ¥735

浦賀 和宏 著 「浦賀和宏殺人事件」 ★★

ミステリ作家浦賀和宏は悩んでいた。自作のテーマは「密室」。執筆が難航するなか,浦賀ファンの女子大生が全裸惨殺死体で発見される。彼女が最後に会っていたのは浦賀和宏!?そして・・・・・その裏にはもうひとつの事件が!?驚愕の結末!永遠のテーマ「密室トリック」に挑む講談社ノベルス20周年書き下ろし!


ねぇ,これって"やっつけ仕事"でしょ?

トリックに驚きを得られたのが救いで,それまでのプロセスはホント最低です。この著者は「YMO」が好きなのだろうが,私はまったく興味がないし,このごろ良く見受けられるグロイ描写,乱暴な書きなぐりは読むに耐えないです。トリックに至るまでは★1つをとうとう出すことになるのかと思ってしまったよ。この著者は「安藤君シリーズ」が多いし,ネタに困ってるのかね?そろそろ新しい設定で,以前のような緻密な作品を期待したいところです。
ISBN:4344405048 文庫 加納 朋子 幻冬舎 2004/04 ¥600

加納 朋子 著 「ささらさや」 ★★★★

事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。けれど,その度に亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。そんなサヤに,義姉がユウ坊を養子にしたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された!ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。連作ミステリ小説。


この方は私の好きな作家である貫井徳郎の奥さんである。
そんで,貫井が落選した「鮎川哲也賞」を受賞してたりする(笑)

そんな彼女の作品を始めて手にとってみたが,これが何とも言えず良い。女性らしい柔らかで優しいタッチがとっても軽快で,登場人物の一言一言が胸に響くのだ。主人公のサヤは新婚でユウ坊を生んだ数ヵ月後に夫を交通事故で亡くすのだが,挫けそうになりながらも周りに人たちに助けられながらひたむきに生きていくさまがなんとも涙をそそる。男ならだれもが「この女を守りたい!」って思うんではなかろうか。
ISBN:4061822527 新書 森 博嗣 講談社 2002/05 ¥882

森 博嗣 著 「朽ちる散る落ちる」 ★★★★

土井超音波研究所の地下,出入りが絶対に不可能な完全密室で,奇妙な状態の死体が発見される。一方,地球に帰還した有人衛星の乗組員全員が殺されていた。数学者小田原長治の示唆で事件の謎に迫る瀬在丸紅子は,正体不明の男たちに襲われる!前人未到の宇宙密室!ますます冴える森ミステリィ,絶好調Vシリーズ第9弾!


Vシリーズで一番良かったかも(?)。

舞台は,「六人の超音波科学者」で謎を残した場所。別にあれはあれで謎として残しておいても良かったのだが,ネタに困ったのか,まるでB面作品である。ところがどっこい,事件のスケールをでかくしたのが良かったのか,これがなかなかの出来映えであった。また森作品にしては珍しく,読後感もかなり良かった。更にいえば,森流のダジャレがツボにはまりまくった。これは私だけかもしれないが・・・・・。

とうとう残すはあと1作。S&Mシリーズのときのような肩透かしされる終わりだけは見せてくれるなよ。森センセ,頼んます。
ISBN:4167659018 文庫 横山 秀夫 文芸春秋 2001/10 ¥470

横山 秀夫 著 「陰の季節」 ★★★

警察一家の要となる人事担当の二渡真二は,天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべもなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち,ある未解決事件が浮かび上がってきた・・・・・。「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第1弾。


く・暗い,暗すぎる。そして,か・硬い,硬すぎるよ。

「半落ち」で有名な著者だけど,短編でこんなに読むのに疲れるようでは長編なんて読む気がしないね。

BOOK OFFで105円だったから思わず手に取ったけど,本屋さんで新品を買おうとはもう思わないな。

たった1作で判断するのもなんなんで,もう1作読んでみようかね。
ISBN:416768201X 文庫 貫井 徳郎 文芸春秋 2004/05 ¥620

貫井 徳郎 著 「神のふたつの貌」 ★★★★☆

―――神の声が聞きたい。牧師の息子生まれ,一途に神の存在を求める少年・早乙女。彼が歩む神へと至る道は,同時におのれの手を血に染める殺人者への道だった。三幕の殺人劇の結末で明かされる驚愕の真相とは?巧妙な仕掛けを駆使し,"神への沈黙"という壮大なテーマに挑んだ,21世紀の「罪と罰」。


また貫井に,や ら れ た。

思わず「マジかよっ」って声に出して言ってしまった。
そのくらい見事に騙された。ホント毎回バカみたいに・・・。

トリックとしてはお得意である叙述トリック。内容はキリスト教と宗教を題材としてるので暗めであるが,登場人物の各々に内包された心の裡を除くにつれ,なんとも形容しがたい世界に没頭させられる。

本書の帯に,「『慟哭』を凌ぐ最高傑作」とあったが,その形容も素直に頷ける素晴らしい作品であり,コンスタントに秀作を発表する著者にホント感謝したい。あっぱれ!
ISBN:4093861307 単行本 松岡 圭祐 小学館 2003/11 ¥1,680

松岡 圭祐 著 「千里眼の死角」 ★★★☆

世界各地で原因不明の「人体発火」現象が多発。英国王室のシンシア妃は何故かこの事件報道に極度に敏感な反応を示し,バッキンガム宮殿に引き篭もる。王妃の精神状態を探るため,臨床心理士の嵯峨敏也が宮殿に招かれた。その事件の陰に存在していたのは,全人類の歴史を覆す恐怖の策略だった。嵯峨は旧知の元航空自衛隊F15パイロット・岬美由紀に協力を求める。死地へと踏み込んだ美由紀は,予想しえなかった戦慄の事態に直面する・・・・・。遂に宿敵メフィスト・コンサルティングと決着。<ミドリの猿>から<ダビデ>まで,すべての謎が一挙に解き明かされる。催眠・千里眼シリーズの第10巻特別記念作。


今までにも増して設定がものすごいです。
コンピューターが意識を宿す。まるで映画の「ターミネーター」だ。まだ人間の支配下における上での意識なので人間に反逆するわけではないんだが。今のテクノロジー進歩をみると,この小説で書かれている程度のことは,そのうち現実となってもおかしくない気がするので,すべてをSFを片付けてしまうのは乱暴かもしれない。

それと,「福井晴敏」のレビューでも同じようなことを書いたんだけど,うざい固有名詞はホントいらないです。作者自身がベンツに乗っていて好きなのは分かるけど,いちいち車の性能やら正式品名なぞは書いてくれるな。
ISBN:4061823493 新書 高田 崇史 講談社 2004/01 ¥924

高田 崇史 著 「QED 竜馬暗殺」 ★★





坂本竜馬がって言うよりも,幕末時代に興味がないのだということを再認識させてくれた本でした。

内容も事件自体がまったくのおざなりになっており,竜馬暗殺についての学術書かのようになってしまっている。

ただでさえ興味のない時代背景に,小説としても面白みをそがれてしまっては,読むのもほぼ義務感としてでしかない。

このQEDシリーズで2作前にも「シャーロック・ホームズ」が題材であったが,薀蓄を披露する類の小説は,自分の趣味と合致していないとダメなんであろうな。

それでも京極夏彦の京極堂シリーズにおける薀蓄には,興味がないものでも逆にもっと知りたいという欲求にかられるのだから,薀蓄を披露するにも,披露の仕方というか筆力によるものが大きいのだと思う。

今作では棚旗奈々の妹で沙織というキャラが台頭していたので,他にももう少しキャラを増やし現代の描写に力を入れてほしいところである。

採点は今後の期待もこめて辛めの2点としておく。

7月30日の日記

2004年7月30日 日常
強引に年休をとってゴルフしてきた。

休む代わりに,「いつでも電話に出れるようにしとけ」とのお達しをもらっていたが,幸いなことにゴルフ場は圏外であった(笑)

場所は千葉県の木更津。田舎だ。高速すっ飛ばして片道2時間,帰りは3時間。ゴルフもハードで,疲れを取るどころか余計に疲れたよ。

あぁ,月曜日は会社いきたくないな。
ISBN:4087474399 文庫 東野 圭吾 集英社 2002/05 ¥1,050

東野 圭吾 著 「白夜行」 ★★★★





やっぱり読む前に情報収集するのは止めたほうがよいね。

「後味が悪い」っていう書評が多いのを承知の上で読んだんだけど,読み終えてみると,おんなじ感想を抱いちゃいました。

お話としては,ホント面白い。幸田真音の「マネーハッキング」と,真保裕一の「奪取」に似たような感じがした。

ただ,残り数ページという段階になっても,全然まとまる雰囲気がないまま,なんだか強引に打ち切られたような終わりかた。
そこが前述した作品達と違う点で,採点の評価に影響した。

実は「幻夜」もすでに手元にあるんだよね。あまり間を空けずに読むべきか,それともほとぼりが冷めるのを待つべきか思案中である。
ISBN:4062735067 文庫 井上 夢人 講談社 2002/08 ¥800

井上 夢人 著 「メドゥサ,鏡をごらん」 ★★★





「なんだこれ?」

これが読み終わったときの正直な感想だ。

途中から文字のフォントが変わったりし,相変わらずの文章センスも光っており,グイグイと引き込まされていくのだが,突然この小説は終わってしまう。

おいっ,ちょっと待て。答えはどうした?

いくら考えても良く分からない。私の読解力が足りないのか?
それとも回答を読者に委ねる作品なのか?

前者であったら自分の読解力のなさに反省をするところだが,もし後者であったならば,私の嗜好には反する。

「ダレカガナカニイル・・・」も似たような結末を迎えたが,それなりに答えを用意してあったので満足したのだが・・・

今回は後者であると判断して,星は3つとさせていただきたい。
だたし,内容的には星4つはあげられることを補足しておく。

スマンが北斗だ

2004年7月18日 趣味
朝一から6時まで必死に粘るも2箱あったコインも下皿のみ。

隣の良さげな台があったので,持ちコインで移動したら・・・・・

たったの2時間で5000枚オーバー(驚)

いったい6時までの時間はなんだったんだろ。

なんだかやりきれなかったが,まぁ勝ったから良しとするか。
遠くに住んでる友人夫婦と会ってきた。

待ち合わせはなぜか池袋。

初めて入ったイタリア系の良く分からん店で,アイスコーヒー一杯で3時間も粘り倒してきた。

奥さんの腹もでかくなったし,まぁ幸せにやっておくれ。


しかし休日の池袋ってホント人が多くって疲れるわ。
ISBN:4061822314 新書 森 博嗣 講談社 2002/01 ¥735

森 博嗣 著 「捩れ屋敷の利純」  ★★★☆





Vシリーズの8作目。

なんとS&Mシリーズの萌絵が登場!

別に萌絵が萌え!って感じじゃないんだけど,この特異なキャラがでてくると,作品に華がでてくるね。

お話がどうかというと,・・・ってな感じ。

なんだか煮詰まってるような,そんな気がするこのごろです。

Vシリーズもあと2作。どうにか頑張って上手く纏めてほしいもんです。

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